Anime · Section 4
彼女が夢見た結婚生活
かけるくんへ。 まず先立つ不幸をお許しください。
Level: N4 · 31 sentences
Transcript
- かけるくんへ。
- まず先立つ不幸をお許しください。
- ごめんね。多分今回は難しいかな。
- ちょっと早いお別れで申し訳ないけど、
- あまり悲しみすぎないでくださいね。
- 私が死んで泣いちゃったりしていませんか?
- そりゃまあ、お葬式くらいまでは泣いちゃうかもですね。
- けど、ちゃんとお別れした後は泣かなくていいんです。
- 全然泣かなくても大丈夫ですよ。
- だって、泣くような思い出は私には一つもありません。
- それよりも私にしては長生きしたと褒めてください。
- あの大学一年の夏、多分かけるくんがいなかったら、
- 私の命はそこで終わっていました。
- それからたくさん私は。
- 川沿い一息で、西の空、散る花火。
- 離れないように手をつないだ。
- 煌めく夜の向こう。
- 震えるような寂しさを教えてくれたのも君だった。
- 花びらひとひら。
- 痛みまでも留めるように胸に挟まったまま。
- 終わらないでとただ願っていた。
- 君が僕の生きる意味だった。
- 僕ら見えない明日を見上げていた。
- 爆ぜる夏の夢を焼き付けながら。
- かけるくん、まさかと思うけど、私に心残りがあるとか、
- そんなことを思っていませんか?
- 確かにかけるくんとさくらを置いてこの世を去ることはと
- 残念といえば残念です。
- ああ、幸せだったな。
- 幸せな人生だったな。
- ありがとう、かけるくん。