Folk tales · Section 3
優しいお化けのパン屋さん
優しいお化けのパン屋さん。 あるところに暗く不気味な森がありました。
Level: N4 · 57 sentences
Transcript
- 優しいお化けのパン屋さん。
- あるところに暗く不気味な森がありました。
- この森にはお化けが出ると噂の家があり、
- 誰も近づこうとはしませんでした。
- カチャカチャ、トントン。おや?
- 家の中から何やら怪しい音が聞こえます。
- カチャカチャ、トントン。
- この後ろ姿はまさしくお化け。
- 噂は本当だったようです。
- カチャカチャ、トントン。
- お化けは一体何をしているのでしょうか?
- おいしくなれ、おいしくなれ。
- このお化けの名前はモッチー。
- パンを一生懸命作っています。
- 森の中にある家はモッチーが開いているパン屋さんだったのです。
- このパン生地、まるで僕みたいだ。
- モッチーは心の優しいお化けです。
- みんなにおいしいパンを食べて欲しい、そう思いながら、
- 毎日毎日パンを作り続けていました。
- でも、みんながお化けを怖がってしまうため、
- まだ誰もお店に来たことがありません。
- 僕のパンは誰にも食べてもらえないのかな。寂しいな。
- そんなある日のことです。
- お化けの住む森に、小さな兄弟が迷い込んでしまいました。
- お腹を空かせた二人はパンの焼ける匂いに誘われ、
- モッチーのお店の上にたどり着きました。
- お兄ちゃん、このお店なんだか怖いよ。
- 大丈夫、行ってみよう。
- すみません。誰かいますか?
- 二人は恐る恐るお店の扉を開けました。
- わー、お客さんだ。いらっしゃい。
- わー、お化けだ。逃げろ。
- あ、ちょっと待って。
- 僕の名前はモッチー。パン屋さんなんだ。
- 僕はみんなにパンを食べてえもらいたいだけなのに、
- 僕を怖がって誰もお店に来てくれないんだ。
- そうだったんだ。
- 歩き回ってお腹が減ったでしょう?
- よかったら僕のパンを食べてみてよ。
- え?でも。
- 二人は少し不安な気持ちになりましたが、
- モッチーの作ったパンを食べてみました。
- いただきます。パク。
- おいしい。モッチー。このパン、とっても美味しいよ。
- ほんとかい?ありがとう。とっても嬉しいよ。
- 美味しいパンをありがとう、モッチー。
- 初めは怖かったけど、モッチーに出会えて良かったよ。
- 見た目だけで怖いなんて判断しちゃダメだね。
- 二人に喜んでもらえて僕もとっても幸せだよ。
- また食べに来てね。うん。
- 数日後、
- モッチーのパン屋さんにはたくさんの人が訪れていました。
- 君たちが村のみんなに僕のパンを紹介してくれたのかい?
- うん。優しいお化けが開いている美味しいパン屋さんがあるって。
- どうもありがとう。
- これからもみんなのために美味しいパンを作るよ。
- おしまい。