JLPT · JLPT 5
孤独という病
「友人とは何か」の答えは様々だろうが、 ある心理学者の本に刺激的な定義があった。
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Transcript
- 「友人とは何か」の答えは様々だろうが、
- ある心理学者の本に刺激的な定義があった。
- 「夜中の十に時に、自動車のトランクに死体を入れて持ってきて、
- どうしようかと言ったとき、黙って話に乗ってくれる人」
- なかなか刺激的だ。
- 最近の学生たちを見ていると、
- 友情はまた別の問題を抱えているように思える。
- 先日、一人の学生が私のところに相談に来た。
- 大学に入学して、まだ一週間も経っていないのに。
- 彼は「友達ができない」と深く悩んでいた。
- 「努力したものの、うまくいきません」と彼は言う。
- 私はその言葉に驚かざるを得なかった。
- 一週間努力すれば、友達ができると思っていたことにだ。
- この頃、このような相談が増える一方だ。
- 中には友達ができないという理由だけで、
- せっかく入った大学を中退する学生さえいる。
- これは我々大学側にとっても深刻な問題なのだ。
- 学生たちは友達がいない寂しさより、
- いない恥ずかしさに耐えられないのだという。
- 「暗いやつ」と見られたくない。
- 周囲の目が気になって、
- 学食で、一人でご飯を食べられない。
- あげくに、トイレで食べる者もいるというから驚かされる。
- 「友達がいなさそう」というのが、
- 今や最も手厳しい罵倒の一つなのかもしれない。
- やさしそうに見えて、実は残酷なご時世だ。
- 携帯に何百人もの「友達」を登録して、
- 精神安定剤にしている学生もいると聞く。
- だが、友情とは成長の遅い植物のようなもの。
- 何百人の連絡先を持つことと、
- 一人の親友を持つことは同じわけではない。
- それはまるで造花を飾って安心しているかのようだ。
- 老婆心ながら、
- 彼らの心の内が本当に安らいでいるのか気にかかる。