Folk tales · Section 2

河童と相撲の約束

昔々、ある村にとても力持ちの男がいました。 ある日、彼が川沿いを歩いていると、

Level: N3 · 32 sentences

Transcript

  1. 昔々、ある村にとても力持ちの男がいました。
  2. ある日、彼が川沿いを歩いていると、
  3. 一匹の河童が飛び出してきました。
  4. その河童は男の道をふさいで、
  5. 「相撲で勝負しろ!」と挑戦してきました。
  6. 河童は相撲に絶対負けない自信がありました。
  7. 男は河童の力の秘密を知っていました。
  8. それは頭の上のお皿にある水だということを。
  9. それで、彼は力ではなく、知恵を使うことにしました。
  10. 試合が始まる前に男はきちんと立って、
  11. 河童に深くお辞儀をしました。
  12. これは相撲の大切な礼儀だったのです。
  13. 礼儀を重んじる河童は
  14. すぐに丁寧にお辞儀を返しました。
  15. その瞬間、頭のお皿から、
  16. 水が全部こぼれてしまいました。
  17. すると、河童の体から力が抜けて、
  18. その場に、ぺたんと倒れてしまいました。
  19. 河童はすっかり弱くなってしまったのです。
  20. 男は倒れた河童を持ち上げました。
  21. 怖くなった河童は命乞いを始めました。
  22. 「どうか助けてください。」
  23. 「助けてくれたら、必ずお礼をしますから。」
  24. 男は河童を許してあげることにしました。
  25. しかし、一つ条件を出しました。
  26. 「もう村人に迷惑をかけないと約束しなさい。」
  27. 「そして、骨の痛みを治す方法を教えるんだ。」
  28. 河童はその約束をしっかりと守りました。
  29. それ以来、村人を困らせることはなくなりました。
  30. 時々、男の家の前に新鮮な魚が置かれていたそうです。
  31. それは河童からの感謝の気持ちでした。
  32. 河童の治療法も村に伝えられたということです。