Folk tales · Section 2
狐の嫁入り
晴れているのに、雨がぱらつく日。 昔から日本ではこういう天気を
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Transcript
- 晴れているのに、雨がぱらつく日。
- 昔から日本ではこういう天気を
- 「狐の嫁入り」と呼んできました。
- 狐は稲荷神の使いとされ、
- 古来より神聖視されてきた動物です。
- そんな狐の世界には、
- 厳格な掟が存在すると、言われます。
- それは、嫁入りの行列を
- 決して人間に見られてはならぬ、というもの。
- その儀式を隠さんため、
- 狐たちは太陽を欺き、雨を降らせるのです。
- 人々がわかに家に駆け込む
- その束の間に、婚礼は執り行われます。
- しかし、この現象をめぐっては、
- もう一つの悲しい物語も伝わっています。
- 昔、ある村が深刻な旱魃に見舞われました。
- 雨を乞わんがため、村人たちは
- 人身御供を立てることを決断しました。
- そして白羽の矢が立ったのは、
- 人に化ける一匹の美しい白狐でした。
- 村の青年との偽りの祝言。
- それは、狐を神に捧げるべく仕組まれた罠でした。
- しかし、二人はいつしか本当に惹かれ合います。
- 真実を知った狐は愛する人のため、
- 自らの命を差し出すことを受け入れました。
- 儀式の日、彼女が天に召されると、
- 空から大粒の雨が降り注ぎました。
- それは、狐の流した悲しみの涙だったのでしょう。
- 以来、日照り雨は、人知れず行われる狐の祝宴の印であり、
- 同時に、悲恋の記憶を留めるものでもあるのです。
- ある地域では吉兆の証ともされ、
- 五穀豊穣と子孫繁栄の象徴とされています。