Folk tales · Section 2

苔の木

こけの木。 とある村の丘の上に苔の木と呼ばれる大きな木があります。

Level: N4 · 48 sentences

Transcript

  1. こけの木。
  2. とある村の丘の上に苔の木と呼ばれる大きな木があります。
  3. その木は光り輝くお花が咲き、
  4. 人々を助けてくれるという古くからの言い伝えがあります。
  5. しかし、苔だらけの木にお花が咲いたところを見た人は
  6. 今まで一人もいません。
  7. しかし、その言い伝えを信じ、
  8. お世話をし続ける仲の良い兄弟がいました。
  9. この立派な木にはきっといつか大きな花が咲くはずだ。
  10. うん。私も信じて毎日この木にお水をあげるわ。
  11. ですが、いくらお水をあげても木に苔が生えるばかりでお花が咲きません。
  12. くじけそうになりながらも、
  13. 二人は諦めずに毎日毎日お水をあげました。
  14. そんな姿を見ていた村人はあの兄弟を馬鹿にし始めます。
  15. いくら水をあげても花なんて咲くわけがないよ。
  16. 全く花が咲くなんて嘘つきだ。
  17. それを聞いた二人はとても悲しい気持ちになりました。
  18. そんなある日、
  19. お水をくみに出かけた妹が突然倒れてしまいました。
  20. 兄はそのまま動けなくなってしまった妹を抱えて、
  21. すぐお家に戻りました。
  22. ごめんね。苔の木にお水をあげられなくなっちゃった。
  23. 大丈夫だから今はゆっくり休んで。
  24. 妹に無理をさせていたことを兄は後悔しました。
  25. そして兄は斧を持って丘に向かいました。
  26. やっぱりあの言い伝えは嘘だったんだ。
  27. この木さえなければ。
  28. そう言って苔の木に切りかかりました。
  29. すると苔だけが剥がれ、ピカーッと光り出しました。
  30. そして、新しい枝がニョキニョキと生え、
  31. みるみるうちに一回り大きな木になりました。
  32. さらに、苔だらけだった木は新しい枝で覆い尽くされ、
  33. 綺麗なお花が咲きました。
  34. どうやら苔が邪魔をして成長を邪魔していたようです。
  35. たくさん咲いているお花の中に、
  36. 一輪の光り輝くお花がありました。
  37. これはとても綺麗な花だ。
  38. よし、持って帰ろう。
  39. そのお花を手に持つと、急いでお家に帰りました。
  40. 妹がその光り輝くお花のかおりを嗅ぐと、
  41. すっかり元気になりました。
  42. お兄ちゃん、そのお花はどうしたの?
  43. 苔の木のお花だよ。ようやく咲いたんだ。
  44. わぁすごい!とうとう実ったのね。
  45. それからというもの、兄弟は苔が生えない程度にお水をあげ、
  46. 苔の木もずっとお花を咲かせ続けました。
  47. 村人も兄弟を馬鹿にすることはなくなりました。
  48. おしまい。