Folk tales · Section 2
苔の木
こけの木。 とある村の丘の上に苔の木と呼ばれる大きな木があります。
Level: N4 · 48 sentences
Transcript
- こけの木。
- とある村の丘の上に苔の木と呼ばれる大きな木があります。
- その木は光り輝くお花が咲き、
- 人々を助けてくれるという古くからの言い伝えがあります。
- しかし、苔だらけの木にお花が咲いたところを見た人は
- 今まで一人もいません。
- しかし、その言い伝えを信じ、
- お世話をし続ける仲の良い兄弟がいました。
- この立派な木にはきっといつか大きな花が咲くはずだ。
- うん。私も信じて毎日この木にお水をあげるわ。
- ですが、いくらお水をあげても木に苔が生えるばかりでお花が咲きません。
- くじけそうになりながらも、
- 二人は諦めずに毎日毎日お水をあげました。
- そんな姿を見ていた村人はあの兄弟を馬鹿にし始めます。
- いくら水をあげても花なんて咲くわけがないよ。
- 全く花が咲くなんて嘘つきだ。
- それを聞いた二人はとても悲しい気持ちになりました。
- そんなある日、
- お水をくみに出かけた妹が突然倒れてしまいました。
- 兄はそのまま動けなくなってしまった妹を抱えて、
- すぐお家に戻りました。
- ごめんね。苔の木にお水をあげられなくなっちゃった。
- 大丈夫だから今はゆっくり休んで。
- 妹に無理をさせていたことを兄は後悔しました。
- そして兄は斧を持って丘に向かいました。
- やっぱりあの言い伝えは嘘だったんだ。
- この木さえなければ。
- そう言って苔の木に切りかかりました。
- すると苔だけが剥がれ、ピカーッと光り出しました。
- そして、新しい枝がニョキニョキと生え、
- みるみるうちに一回り大きな木になりました。
- さらに、苔だらけだった木は新しい枝で覆い尽くされ、
- 綺麗なお花が咲きました。
- どうやら苔が邪魔をして成長を邪魔していたようです。
- たくさん咲いているお花の中に、
- 一輪の光り輝くお花がありました。
- これはとても綺麗な花だ。
- よし、持って帰ろう。
- そのお花を手に持つと、急いでお家に帰りました。
- 妹がその光り輝くお花のかおりを嗅ぐと、
- すっかり元気になりました。
- お兄ちゃん、そのお花はどうしたの?
- 苔の木のお花だよ。ようやく咲いたんだ。
- わぁすごい!とうとう実ったのね。
- それからというもの、兄弟は苔が生えない程度にお水をあげ、
- 苔の木もずっとお花を咲かせ続けました。
- 村人も兄弟を馬鹿にすることはなくなりました。
- おしまい。