Folk tales · Section 1

人魚の真珠

むかしむかし、ある海辺の村に、 健二という、心の優しい漁師がいました。

Level: N2 · 33 sentences

Transcript

  1. むかしむかし、ある海辺の村に、
  2. 健二という、心の優しい漁師がいました。
  3. 彼は毎日、海に出て魚を釣っていました。
  4. しかし、いつも少し寂しいと感じていました。
  5. ある嵐の夜のことです。
  6. 大きな波が浜辺に打ち寄せていました。
  7. 健二は、浜辺で何かを見つけました。
  8. それは、美しい人魚でした。
  9. 人魚はケガをしていて、動けないようでした。
  10. 健二は人魚を助けることにしました。
  11. 彼は人魚を秘密の入り江に運びました。
  12. そして、毎日彼女の世話をしました。
  13. 彼女の名前は、しおりだということでした。
  14. 健二は陸の話をしおりに聞かせました。
  15. しおりは海の不思議な話をしてくれました。
  16. 二人はいつのまにか愛し合うようになりました。
  17. しかし、問題がありました。
  18. しおりは陸では生きられません。
  19. 健二は海の中で暮らすことはできません。
  20. 陸にいる時間が長くなるにつれて、
  21. しおりはだんだん弱くなっていきました。
  22. 彼女の美しい髪の色も、薄くなってきたのです。
  23. 健二はとても悲しくなりました。
  24. 彼は、本当の愛とは何かを考えさせられました。
  25. 彼女をここにいさせるのは、本当に彼女のためになるのだろうかと。
  26. 彼はついに、一つの決心をしました。
  27. しおりを海に帰してあげることにしたのです。
  28. 次の満月の夜、健二はしおりを抱きかかえて海へ向かいました。
  29. 「君の幸せが、僕の幸せだから。」
  30. しおりは涙を流しながら、彼に真珠を渡しました。
  31. それは、感謝の気持ちのしるしでした。
  32. 彼女は静かに海の中へ消えていきました。
  33. 本当の愛とは、相手の幸せを願うことだと、健二は学びました。