Folk tales · Section 1

幻の島のメッセージ

僕の故郷の町には、ある言い伝えがあった。 それは干潮の時だけ現れる「幻の島」の話だ。

Level: N2 · 21 sentences

Transcript

  1. 僕の故郷の町には、ある言い伝えがあった。
  2. それは干潮の時だけ現れる「幻の島」の話だ。
  3. 大学の夏休み、僕たち仲間四人はその島の探検を計画した。
  4. 干潮の時刻を調べ、小さなボートを借りた。
  5. 目的地に近づくにつれて、海の中から不思議な岩場が姿を現した。
  6. これが幻の島に違いない。
  7. 上陸してみたものの、そこには草木一本生えていなかった。
  8. ただ、島の中心に古代の文字が刻まれた石碑が立っていた。
  9. 僕たちはその碑文にすっかり心を奪われた。
  10. 歴史を専攻している友人が、なんとか解読しようと試みた。
  11. 「宝のありかを示す地図などでは?」
  12. そんな期待を抱いたが、現実は違った。
  13. 解読の結果、それは宝の地図どころか…
  14. 「自然を敬い、共に生きよ」という古代の人々からのメッセージだったわけだ。
  15. 財宝こそなかったものの、
  16. 僕たちはそれ以上の価値あるものを見つけた気がした。
  17. その時、潮が満ち始めていることに気づいた。
  18. 急いでボートに戻らざるを得なかった。
  19. あっという間に、島は再び海に沈んでいった。
  20. 幻の島は物理的な宝を隠していたわけではない。
  21. あの経験こそが、僕たちの宝物になったのだ。