Folk tales · Section 1
分福茶釜
むかしむかし、あるところに、 とても貧しいおじいさんが住んでいました。
Level: N3 · 27 sentences
Transcript
- むかしむかし、あるところに、
- とても貧しいおじいさんが住んでいました。
- ある日、おじいさんは森の中で、罠にかかった一匹のタヌキを見つけました。
- タヌキはとても苦しそうに見えました。
- おじいさんはタヌキをかわいそうに思い、罠から助けてあげることにしました。
- その夜のことです。
- 助けられたタヌキが、おじいさんの家にやって来ました。
- 恩返しのために、一つの茶釜に化けたのです。
- それは金色に輝く、見事な茶釜でした。
- タヌキは、この茶釜を売るように言いました。
- おじいさんは言われたとおりに、茶釜をお寺の和尚さんに売りました。
- 和尚さんはその美しさに大変喜びました。
- そして、さっそくお湯を沸かそうとして、茶釜を火にかけました。
- すると、茶釜から手と足が生えてきて、
- まるで叫ぶように逃げ出したのです。
- とても驚いた和尚さんは、すぐにおじいさんに茶釜を返しました。
- 戻ってきたタヌキの茶釜は、新しいことをおじいさんに提案しました。
- 見世物小屋を開くことにしたのです。
- おじいさんは小さな小屋を建て、
- タヌキは茶釜の姿のままで、綱渡りや踊りを見せるようになりました。
- この不思議な茶釜の芸は、すぐに町で評判になりました。
- たくさんの人が見に来るようになり、
- おじいさんはお金持ちになりました。
- おじいさんはタヌキにとても感謝しました。
- そして、もう働かせることはやめました。
- タヌキは元の姿に戻り、おじいさんと幸せに暮らしました。
- 親切はいつか自分に返ってくるものですね。