Folk tales · Section 1

分福茶釜

むかしむかし、あるところに、 とても貧しいおじいさんが住んでいました。

Level: N3 · 27 sentences

Transcript

  1. むかしむかし、あるところに、
  2. とても貧しいおじいさんが住んでいました。
  3. ある日、おじいさんは森の中で、罠にかかった一匹のタヌキを見つけました。
  4. タヌキはとても苦しそうに見えました。
  5. おじいさんはタヌキをかわいそうに思い、罠から助けてあげることにしました。
  6. その夜のことです。
  7. 助けられたタヌキが、おじいさんの家にやって来ました。
  8. 恩返しのために、一つの茶釜に化けたのです。
  9. それは金色に輝く、見事な茶釜でした。
  10. タヌキは、この茶釜を売るように言いました。
  11. おじいさんは言われたとおりに、茶釜をお寺の和尚さんに売りました。
  12. 和尚さんはその美しさに大変喜びました。
  13. そして、さっそくお湯を沸かそうとして、茶釜を火にかけました。
  14. すると、茶釜から手と足が生えてきて、
  15. まるで叫ぶように逃げ出したのです。
  16. とても驚いた和尚さんは、すぐにおじいさんに茶釜を返しました。
  17. 戻ってきたタヌキの茶釜は、新しいことをおじいさんに提案しました。
  18. 見世物小屋を開くことにしたのです。
  19. おじいさんは小さな小屋を建て、
  20. タヌキは茶釜の姿のままで、綱渡りや踊りを見せるようになりました。
  21. この不思議な茶釜の芸は、すぐに町で評判になりました。
  22. たくさんの人が見に来るようになり、
  23. おじいさんはお金持ちになりました。
  24. おじいさんはタヌキにとても感謝しました。
  25. そして、もう働かせることはやめました。
  26. タヌキは元の姿に戻り、おじいさんと幸せに暮らしました。
  27. 親切はいつか自分に返ってくるものですね。