Folk tales · Section 1
鶴の恩返し
むかしむかし、あるところに、心優しいおじいさんと、おばあさんが住んでいました。 二人は貧しいながらも、仲良く暮らしていたのです。
Level: N2 · 26 sentences
Transcript
- むかしむかし、あるところに、心優しいおじいさんと、おばあさんが住んでいました。
- 二人は貧しいながらも、仲良く暮らしていたのです。
- ある雪の降る寒い日、おじいさんは町へ出かけました。
- その帰り道、雪の中で、一羽の鶴が罠にかかっているのを見つけました。
- 鶴は必死にもがいていましたが、逃げることはできないようでした。
- かわいそうに思ったおじいさんは、鶴を助けてやることにしました。
- 自由になった鶴は空へ飛び立つと、
- 感謝するかのように鳴き、去っていきました。
- その夜、ひどい吹雪になりました。
- 戸を叩く音がしたので、
- おばあさんが開けてみると、そこには美しい娘が立っていました。
- 娘は道に迷ったので、一晩泊めてほしいと頼みました。
- 夫婦は快く娘を迎え入れました。
- 娘は本当の娘のように、夫婦の世話をよくしました。
- ある日、娘はこう言いました。
- 「恩返しに、布を織らせてください。」
- 「ただし、私が旗を織っている間は、決して部屋を覗いてはなりません。」
- そう約束させたものの、夫婦の好奇心は募るばかりでした。
- 三日二晩、機織りの音だけが聞こえました。
- やがて娘は、見事な布を織り上げました。
- 布は驚くほどの高値で売れ、夫婦は裕福になりました。
- しかし、おばあさんは我慢できず、とうとう部屋を覗いてしまいました。
- 部屋の中にいたのは娘ではなく、痩せ細った一羽の鶴でした。
- 鶴は自分の羽を抜いて布を織っていたのです。
- 「正体を知られたからには、ここにいるわけにはいきません。」
- 鶴はそう言うと、空へと帰っていきました。